少年による強盗事件で,鑑別・調査官意見を覆し保護観察処分を獲得|少年事件 弁護士サイト

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少年による強盗事件で,鑑別・調査官意見を覆し保護観察処分を獲得

事件の概要

 高校生の少年が,強盗事件に関与し,警察からの出頭要請を受けていたものの逃げていたため,心配になった両親から来所相談を受け受任。
 本人を説得し一緒に警察署へ出頭したが,逮捕勾留された。本件は複数の共犯者が関与して民家を襲った重大事件であり,通常であれば,成人は実刑相当,少年であっても少年院送致相当事案であった。

弁護方針

 捜査段階は,2,3日に一回のペースで接見へ行き少年を励ました。少年が逮捕された段階では,共犯者は逮捕されておらず,いまだ事件の全容は明らかとなっていなかったため,少年が事件解明のキーパーソンであった。少年や両親とも相談して,正直に知っていることを話すようにアドバイスし積極的に捜査協力をしたところ,少年の供述により,共犯者が続々と逮捕されることとなった。そして,少年には何度も日記を書いてもらい,何度も被害者への謝罪文を書いてもらい内省を促した。
 また,検察官に対しては,少年の関与が従属的であること等から,共同正犯ではなく幇助犯にとどまることを主張し意見書を提出した。その結果,家裁送致時の罪名は幇助罪となった。とはいえ,重大な強盗事件であったため,少年院送致となる可能性には変わりがなかった。
 家裁送致後は,少年審判に向けて,少年や両親と何度も打合せをした。また,居住環境や学校環境も整え,釈放後の環境調整に尽力した。そして,審判日当日は,100頁にも及ぶ意見書を提出し,約2時間にわたって少年や両親へ質問をして,反省状況等を裁判官に伝える工夫をした。警察,検察,鑑別所,調査官意見が全て少年院送致意見の中,弁護士だけが保護観察意見を主張した。

結果

 第1回目の審判では在宅試験観察となり無事釈放された。そして,3か月以上に及ぶ在宅試験観察期間中も,適切に指導をして,第2回審判に臨み,最終的に保護観察処分(一般)となった(少年にとっては二度目の保護観察であった)。


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