少年による威力業務妨害事件で家裁不送致で終結
事件の概要
高校生の少年が,インターネット上で犯罪予告をしたとの威力業務妨害罪で逮捕されたため,両親が当事務所に来所相談し,受任。
弁護方針
弁護士が初回接見へ行き,少年の話を聞いたところ犯行を否認していたため,まずは適切に取調べアドバイスをした。「黙秘」の選択もあったが,勾留される可能性も高まり,学校へ通うことができなくなってしまうため,積極的に供述するよう指導した。
そして,勾留が付かないように,検察官や裁判所へ意見書を提出し,少年にはこれまで目立った非行歴もないことや,きちんとした家庭で育ってきたことなどから「逃亡のおそれ」がないことに加え,インターネット犯罪は客観証拠が重要であり既にほとんど証拠収集は終了し「証拠隠滅のおそれ」がないこと等を主張した。
検察官は勾留請求をしたため,勾留裁判官と直接交渉をし,少年は犯行を否認しているものの,客観的な事実についてはしっかりと供述していることや,少年の反省状況や監護環境など整っていることを中心に説明した。
結果
勾留請求却下となり,観護措置も付かずに無事釈放(なお,検察官は準抗告をしたがこれも棄却された)。
そして,在宅捜査となった後は,検察官に対し,少年の関与を裏付ける証拠が不十分であることを主張した結果,嫌疑不十分で家庭裁判所へ送致されることなく終結した。少年は,現在,大学受験という夢に向かって平穏な日常生活を送っている。