女子トイレへの建造物侵入,盗撮事件で審判不開始に
高校生の少年が,通っていた塾の女子トイレで盗撮をした事案です。塾の自習室,学校の階段や自習室でも複数回盗撮を行っていました。
受任後,弁護士がすぐに警察に接触したところ,警察は,塾の女子トイレでの盗撮だけであれば学校には通報しないが,学校での盗撮が発覚すれば学校に捜査に行く,という感触でした。
押収されたスマートフォンには学校での盗撮のデータも入っていましたが,少年には学校での盗撮については取調べで黙秘をしてもらうことにしました。結果,学校での盗撮は事件化せずに済み,少年は無事に高校を卒業することができました。
当初,被害者からは示談を拒否されていましたが,家裁送致後は,盗撮・建造物侵入の被害者ともに示談が成立しました。
調査官面談の前に,弁護士と少年・少年の親との間で模擬面談を行って,調査官にきちんと反省の気持ちを伝えられるよう練習をしました。再犯防止策として,スマホを持たずにガラケーを使ったり,クリニックに通ったりしていたので,調査官には弁護士からその旨を伝えるとともに,調査官面談において,少年や少年の親がどんな気持ちで再犯防止策に取り組んでいるかを語れるように指導しました。
調査官は少年審判を開くべきとの意見でしたが,最終的に,裁判官により審判不開始の決定を出してもらうことができました。