少年事件は逮捕される?審判までの流れ

少年事件は逮捕される?審判までの流れ

  • 息子が逮捕されてしまった
  • 留置施設に面会に行けるのか,差入れはできるのか
  • 逮捕されると今後どうなるのか

 上記のようなお悩みを抱えていませんか。
 少年事件の早期釈放や真の事案解決には弁護士の力が必要となります。
 今回は,あなたのお子様が突然逮捕された場合,今後どうなるのか,家族はどうするべきなのかについて解説します。

少年事件でも逮捕はされるのか?

 少年事件,すなわち未成年者が起こした事件でも逮捕される可能性は十分あります。具体的には,犯罪を犯し,犯罪が悪質である等の場合には,成年と同じように逮捕されます。
 逮捕のパターンとしては,犯罪の事件現場での現行犯逮捕だけでなく,逮捕状を取得した警察職員らによる後日の逮捕(通常逮捕)などがあります。
 したがって,場合によっては,事件を起こしてから数日間や数カ月間,場合によっては数年経過してから逮捕されるというケースもあり得ます。

そもそも「少年事件」とはどのような事件か?未成年でも皆逮捕されるのか?

 そもそも「少年」とは,20に満たない者,すなわち未成年者を指します
 そして,「少年事件」とは,未成年者のうち,少年法に基づいて処遇が決定される可能性のある事件をいます。
 もっとも,未成年のうち,14歳未満の者は逮捕されません。刑法上,刑事責任能力がないとされているため,犯罪とはみなされず,捜査機関が逮捕することができないのです。その代わり,法に反した者(触法)を理由に,児童相談所に一時保護される場合があります。

 なお,犯罪時点では未成年でも,逮捕時や処分決定時等に20歳を超えている場合には,成年と同様の事件として扱われます。この場合には,成年と同様の刑事裁判手続に付され,公開の法廷で裁かれます。

逮捕されるとどうなるのか?手続は?その間本人は何をされているのか?

 逮捕されると,その後は,下記のような手続により身柄拘束が継続する可能性があります。

  • 逮捕から48時間以内に,警察による取調べ等を経て送致
  • 送致から24時間以内に,検察官による取調べ等を経て勾留請求
  • 裁判所による勾留決定(原則10日間,最長20日)による取調べ等の継続
  • 勾留に代わる観護措置決定による10日間の少年鑑別所での取調べ等の継続

 逮捕後の手続は,基本的には成年と同様です。逮捕されると,まず警察による取調べ等が行われ,48時間以内に警察により送致されます。
 次に,検察官による取調べ等が行われ,事案にもよりますが,送致から24時間以内に検察官により勾留請求がなされる場合が多いです。
 そして,裁判所による勾留決定がなされると,勾留決定の日から原則10日間,最長で20日もの間,更に身柄を拘束され,取調べ等の捜査が継続することとなります。

 なお,未成年の場合には,勾留するための要件が加重されており,「やむを得ない場合」に限られているため,事件によっては,勾留ではなく,少年鑑別所に身柄を送られる「勾留に代わる観護措置」がなされることがあります。

 取調べについては,事案によっては事実無根の冤罪であるにもかかわらず,虚偽の自白を強要するような威圧的な取調べが行われる場合も少なくありません。そして,突然の逮捕等に動揺した未成年の少年がこのような威圧的な取調べを受けた際,そのような違法な圧力をはねのけることは中々困難なために,安易に「私がやりました」等の虚偽の自白を内容とする調書を作成されてしまい,後の審判などでの重要な証拠とされかねません。
 このような違法不当な取調べに対しては,弁護人が日々の接見の中でアドバイスや意見申立などの弁護活動を行うことで,予め,少年に生じ得る様々な不利益を除去・軽減することが可能となります。
 とりわけ,自白調書は,一度作成されてしまうと,後の審判等で重要な証拠として扱われかねず,取り返しのつかない結果となってしまう恐れもあります。したがって,違法不当な取調べが行われたらすぐに弁護人によるアドバイスや弁護活動等により対処を検討する必要があるといえます。

 また,弁護人を選任しておくと,そもそもこれらの様々な身柄拘束からの早期の解放を目指すことも可能です。
 具体的には,事案に応じ,予め弁護人が必要な弁護活動や意見書提出等を行うことで,検察官による勾留請求の回避,裁判所による勾留決定の回避(勾留請求却下)を求めることが可能となります。このような結果を得ると,その時点で身柄が解放されます。
 こうした早期の身柄解放に向けた弁護活動も,タイミングを逸してしまうと事後に行うことができないため,的確な弁護活動の遂行のためには予め弁護士に相談しておくことが非常に重要となります。

逮捕されると連れて行かれる場所は?面会時間は?差入れはできるのか?

 逮捕後は,事件を管轄する警察署などにおける留置施設に身柄を拘束されます。
 ただし,収容人数の関係などから,どの警察署に留置されるのか決定に時間を要する場合があるので,正確な収監先を把握するためには随時警察署に確認する必要があります。
 家族による面会(接見といいます)の時間は,基本的には平日日中のみで,1回15分~20分程度の制限があります。また,1日1組を上限としたり,予めの電話予約が必要であること等も多いため,事前に必ず警察署に接見の予約方法やルールなどを確認する必要があります。
 家族が差入れできる日時も,基本的には平日日中のみです。差入れできる物品の種類等については,施設ごとに異なる運用もあり得るので,必ず個別に窓口や電話で確認しましょう。

 これに対して,弁護人であれば,土日でも接見や差入れをすることができます
 弁護人による接見には,時間の制限はありません
 そのため,事件によっては連日接見し,日々の取調べに対するアドバイスや弁護活動を行いつつ,家族の希望等に応じた差入れや家族との必要な連絡を取り次ぐこともできるのです。

逮捕された後にはどのような処分がされるのか?

 逮捕されると,先程述べたように,勾留等の身柄を更に拘束されるか,一度釈放されます。
 その後は,原則的には,すべての少年事件が家庭裁判所に送致されます
 例外的に,捜査機関が捜査を遂行した結果,少年が罪を犯したと判断できない場合には家庭裁判所へ送致されないというケースがあり得ます。この場合にはこの時点で事件が終結します。
 家庭裁判所へ送致された後は,少年審判という未成年者のための裁判所による審理に向けた様々な準備が進められます。この時に,少年鑑別所で専門的な分析を受ける,観護措置を受けるケースも多くあります。
 そして,少年審判では,不処分,保護観察処分,少年院送致処分の3種類の処分の可能性があります。
 冤罪である場合には,弁護人を通じて,捜査機関に対し,家庭裁判所へ送致される前から交渉や意見書提出などの弁護活動を行うことで,家裁送致の回避を目指すことが可能となります。
 また,犯罪を行ったこと自体は争わないとしても,その後反省を深めたり,家庭環境や通学状況・就業状況等を改善し,今後の更生策を具体的に検討することで,より軽い処分の獲得を目指すことが可能となります。

逮捕されたら少年事件専門の弁護士に相談すべき4つの理由

 弁護士に相談すると,上記に述べた様々な不利益を克服できる可能性があります。具体的には,弁護士に相談すべき以下の4つの理由があります。

  • 違法不当な取調べに対する弁護活動
  • 早期釈放に向けた弁護活動
  • より軽い処分結果を目指すための前倒しの弁護活動
  • 家族などへの連絡,必要な差入れ等の活動

 上記にも述べた通り,逮捕された後は,身柄を拘束され,取調べを受ける・家族と自由に会話できない・その後さらなる鑑別留置などの身柄拘束へ向けた準備の進行などの,様々な不利益が生じます。
 とりわけ,例えば違法な取調べ等に対する対処や不服申し立ては,適切なタイミングを逃してしまうと,取り返しのつかない事態ともなりかねません。また,身柄の早期解放に向けた活動も,逮捕されてからの数日間という短期間の間に必要な弁護活動を遂行しなければなりません。
 後の審判における処分結果をより軽くするための弁護活動は,逮捕直後から開始することができます。しかし,そのためには,逮捕時点においてその後予想される事件の流れや,事案における弁護すべき要点を的確に把握できなければなりません。
 いずれの場面においても,刑事事件,とりわけ少年事件に関する非常に高度の知見と専門性が要求されます。
 したがって,少年事件で逮捕された場合には,少年事件を専門とする弁護士に早期に相談するのが望ましいでしょう。

まとめ

 以上,少年事件でも逮捕されるのか,面会や差入れの運用はどうなっているのか,その後の流れ等について解説しました。
 これまでにも述べた通り,もし大切な家族が逮捕されたり,逮捕されそうな場合には,お早めに少年事件専門の弁護士事務所へ相談することをお勧めいたします。

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